1日も早い拉致被害者全員の救出にむけて!

北朝鮮人権侵害問題啓発週間作文コンクール2020
中学生部門 最優秀賞
北朝鮮拉致
鹿児島市立坂元中学校2年 山口 心結

「信じられない。」
そう思った。私と同じ中学生。私と同じように大切な家族や友達がいて。大切にしてくれる人達がいて。何気ない会話が一番楽しくて。それが一瞬にして壊された。名前も分からない人に。そう考えると、胸がぎゅっとしめつけられた。同時に、学校に貼られているポスターを見ても他人事だと思って知ろうとしなかった自分が怖くなった。

拉致された横田めぐみさんのご両親の気持ちは、きっと言葉で表しても表しきれないと思う。大切な娘が拉致されたことも分からないまま二十年間どんな思いで生活してきたか。拉致されたと分かり、どんな思いをしたか。他人の私でもこんなに悔しいのに、実の親である横田さんご夫妻の悲しみは計り知れない。めぐみさんに今の新しい日本を見せてあげたいという父、横田滋さんの願いは叶うことなく帰らぬ人となってしまった。

もう時間がない。残された時間はわずか。では、私達にできることは何か。そもそも、中学生の私にできることなんてあるのだろうか。調べてみると、色々な対策が行われていた。しかし、私達が何かこれといった解決策を行うのは正直に言って難しい。

なので、自分自身が今できることを三つ考えてみた。一つ目は、自分の考えを深めることだ。インターネットで調べたり、テレビである特集などを見てみたりすると、過去にどんな事があったのか、現在どのような状況なのか、知らなかったことを知ることができる。二つ目は、多くの人に知ってもらうことだ。「めぐみ」というアニメを見て私は、これをたくさんの人に見てもらいたいと思った。北朝鮮の拉致問題についてよく知らない友達に実際に教えた。すると、とてもびっくりして涙が出たと言っていた。また、まさに今行っているように拉致問題についての作文を書いてみたり、レポートや新聞を作ってみてもいいと思う。これなら私達にもできる。三つ目は、あたり前の中に隠れている幸せを大切にすることだ。家族と一緒に暮らすことのできる幸せ、友達と笑い合えることのできる幸せ、好きなテレビを見ることのできる幸せ、温かいご飯を食べることのできる幸せ。たくさんある。それを意識して生活することは簡単ではないが、自然とありがたみと感じられる人に私はなりたい。

拉致によって自由を奪われた人の数は、一人や二人ではない。その家族も今もずっと苦しいながら必死に戦っている。もう二度と起きてはならない拉致という自由を奪う行為を忘れないで、今自分自身にできることをやっていこうと思う。